阿武隈急行が3月13日ダイヤ改正で最終1時間34分繰り下げ 東京滞在時間が大幅増

阿武隈急行は2021年3月13日(土)にダイヤ改正を行い、運転区間を3つのエリアに分割するほか、早朝・深夜の東北本線および東北新幹線との接続を改善します。

阿武隈急行福島駅(TOKYO STUDIO/Katsumi)
阿武隈急行福島駅(TOKYO STUDIO/Katsumi)

阿武隈急行線は、2019年10月の東日本台風(台風19号)の災害により、富野駅〜丸森駅間が1年あまり不通となる被害を受けました。2020年10月31日に全線で運転を再開しましたが、仮復旧中の富野駅〜丸森駅間で列車本数を減らした臨時ダイヤにより運転しています。

2021年3月13日(土)のダイヤ改正により全線で通常運転が再開されますが、輸送体系は従来と大きく異るものになります。現行ダイヤ(災害発生前の通常ダイヤ、以下同様)は福島駅〜槻木駅間を通し運転する列車を基本としていますが、ダイヤ改正後は運転区間が「福島駅〜梁川駅間」「梁川駅〜丸森駅間」「丸森駅〜槻木駅間」の3つに分割されます(路線図は下図を参照)。阿武隈急行によると、先述の災害で車両運用に大きな影響を受けたことを踏まえ、車両を分離運用することにより、自然災害や輸送障害の発生時における列車の遅延、運休の拡大を防げるとしています。

各運転区間の接点となる梁川駅および丸森駅では、同一ホームでの列車乗り換えが発生します。時間帯により、最小の1分で接続する場合もあれば、30分程度の待ち時間が発生する場合もあります。

運転区間の分割に伴い、福島駅〜梁川駅間は運転間隔がおおむね40分に均等化されます。パターンダイヤによりわかりやすくなる一方で、朝時間帯の上下各2本、夕時間帯の上下各1本の列車は運転取り止めとなります。減便となる朝6〜9時の通勤・通学時間帯については、平日のみ4両編成の列車を現行の1往復から改正後は3往復に増やし、必要な輸送力を確保するとしています。

【路線図で解説】阿武隈急行 3月13日ダイヤ改正 運転区間を3分割

丸森駅〜槻木駅間では、早朝・深夜の利便性が改善されます。下り丸森駅発・槻木駅行の始発列車は、現行ダイヤの5:37発から3月13日(土)ダイヤ改正後は5:15発となり、22分繰り上げられます。これにより、これまで接続していなかった東北本線下り始発列車(槻木駅5:40発・仙台駅6:07着)に乗り換えができるようになります。さらに、仙台駅では6:37発の東北新幹線「はやぶさ2号」に接続し、東京駅には8:07着に到着します。現行ダイヤで接続する「やまびこ206号」(仙台駅6:50発・東京駅9:04着)と比べて、東京駅には57分早く到達できるようになります。

また、上り槻木駅発の最終列車は現行ダイヤでは23:00発(梁川駅行)ですが、その1時間34分後に槻木駅0:34発の丸森駅行が増発されます。この列車は、仙台駅0:02発の東北本線上り最終列車から乗り換えできます。現在の阿武隈急行線への最終接続列車は仙台駅22:30発なので、丸森駅までは1時間32分遅く出発しても到着できるようになります。

また、東京駅発の東北新幹線下り最終列車「やまびこ223号」(21:44発)からの接続も可能となります。現在は東京駅20:20発「やまびこ69号」が最終接続のため、1時間24分の繰り下げとなります。上記の始発列車繰り上げ分と合わせ、東京方面の滞在時間は最大で2時間21分増加します(時刻表は図表を参照)。

【図表で解説】阿武隈急行 3月13日ダイヤ改正 早朝・深夜の仙台・東京方面との接続を改善

なお、東北新幹線は2月13日(土)に発生した地震の影響で、現在は所要時間を増加した臨時ダイヤで運転されていますが、本文および図表の時刻は通常ダイヤで記載しています。